PLG・高硬度材

PLG(パルスレーザー研磨)とは?硬質工具の再研磨に有効な技術を解説

PCD・ダイヤcBNPCBNCVDコート

PLG(パルスレーザー研磨)は、レーザーの力で切削工具の刃先を成形する技術です。ダイヤモンドや cBN といった硬度の高い工具は、一般の再研磨では刃先を整えるのが難しく対応できる業者が限られますが、PLG はこうした硬質工具の刃先成形に有効です。

この記事でわかることは次のとおりです。

  • PLG(パルスレーザー研磨)とは何か
  • 従来の研削が硬質工具の加工で抱える課題
  • PLG が対応する工具と、その技術背景

PLGパルスレーザー研磨とは

PLG(Pulse Laser Grinding)は、高エネルギーのレーザーパルスを用いて切削工具の刃先を成形する技術です。砥石を当てて削る従来の機械研削とは異なり、レーザーで刃先を整えます。

PLG の中核的な強みは、硬度の高いダイヤモンド・cBN への加工に有効な点にあります。これらの超硬質材料は、従来の機械研削では刃先を整えるのが難しい領域です。PLG は、ダイヤモンド工具・cBN(立方晶窒化ホウ素)工具・PCBN 工具・CVD ダイヤモンドコーティング工具などの刃先成形に対応します。

従来の研削が抱える課題

ダイヤモンドや cBN は、工具材料の中でも最も硬い部類に入ります。この硬さは加工性能の高さをもたらす一方で、刃先を整える「再研磨」の難しさにもつながります。

  • 砥石側もダイヤモンド砥石が必要になり、研削の能率が上がりにくい
  • 研削中の発熱で、ダイヤモンドが酸化・黒鉛化して損傷するリスクがある
  • 脆性的に削れるため、刃先に微小なチッピングが生じやすい

こうした理由から、硬質工具の刃先成形には高度な技術が求められます。PCD・cBN それぞれの再研磨の難しさは、PCD工具の再研磨cBN工具の再研磨でも解説しています。

レーザーで刃先を成形するという発想

PLG は、砥石を物理的に当てるのではなく、レーザーパルスのエネルギーで刃先を成形します。非接触で加工できるため、砥石による機械的な負荷がかからず、硬く脆い材料の刃先稜線を整えるのに適したアプローチとされています。

一般に、極めて短いパルスのレーザー加工では、加工部の周囲に熱が伝わりにくい性質が知られています。こうしたレーザー加工の特性は、熱の影響を受けやすい硬質材料の刃先成形において、研削や放電加工が苦手とする領域を補える可能性があるとして、学術研究でも検討が進んでいます。

PLGが対応する工具

PLG は、次のような硬度の高い切削工具の刃先成形・再研磨に活用できます。

工具特徴
ダイヤモンド(PCD)工具アルミ・複合材など非鉄材の高精度加工に使用
cBN・PCBN 工具焼入れ鋼など鉄系の高硬度材の加工に使用
CVD ダイヤモンドコーティング工具表面にダイヤ膜を施した工具

これらはいずれも高価で、摩耗・チッピングのたびに使い捨てるには惜しい工具です。PLG は、こうした使用済みの硬質工具の再研磨を可能にします。

名古屋工業大学発の技術背景

PLG は、名古屋工業大学発のベンチャーである株式会社スリーラボが取り組む技術で、名古屋工業大学 生産機器研究室の研究成果を社会実装したものです。同研究室は、摩擦・潤滑・摩耗を扱うトライボロジーと、切削・レーザー・放電による精密加工の両面から、表面を「使う」技術と「創る」技術を研究しています。

PLG に関する研究成果は学術論文として公開されており、技術の裏付けとなっています。また、スリーラボはこれまでに次のような採択・評価を受けています。

  • 新あいち創造研究開発補助金(小型工具再研磨装置の研究開発)の採択
  • 知の拠点あいち重点研究プロジェクトの採択
  • JETRO ビジネスアテンド支援の採択
  • TechGALA ピッチコンテスト ファイナリスト選出

再研磨サービスとしてのPLG

PLG再研磨は、この技術を活かして、使用済みの切削工具の再研磨をオンラインで受け付けるサービスです。電話や FAX を介さず、Web 上で概算見積もりから発注まで完結できます。

ダイヤモンド・cBN などの硬質工具を含め、対応可否は概算見積もりでご確認いただけます。標準の納期は約 3 週間、送料は一律 555 円です。まずは概算見積もりでお試しください。各工具の詳細はPCD工具の再研磨cBN工具の再研磨、再研磨の基礎は切削工具の再研磨 完全ガイドで解説しています。

よくある質問

Q. PLGはどんな工具に使えますか? A. ダイヤモンド(PCD)・cBN・PCBN・CVD ダイヤモンドコーティングなど、硬度の高い切削工具の刃先成形に有効です。対応可否は概算見積もりでご確認いただけます。

Q. PLGは何の略ですか? A. Pulse Laser Grinding(パルスレーザー研磨)の略で、高エネルギーのレーザーパルスで切削工具の刃先を成形する技術です。

Q. PLGはどこの技術ですか? A. 名古屋工業大学発のベンチャーである株式会社スリーラボが、同大学 生産機器研究室の研究成果をもとに取り組む技術です。

参考文献・出典

  1. 1.株式会社スリーラボ(名古屋工業大学)「Clarification of the Mechanism of Pulse Laser Grinding of Nanosecond Lasers Using High-Speed Camera Imaging」MDPI Machines, Vol.10 Iss.3 Art.196(2022)
  2. 2.株式会社スリーラボ(名古屋工業大学)「Development of High-Performance Polycrystalline CVD Diamond Coated Cutting Tool Edge With Femtosecond Laser」ASME LEMP 2020
  3. 3.「Metal Material Processing Using Femtosecond Lasers」MDPI / PMC(2024)

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記事提供: 株式会社スリーラボ(PLG再研磨)| 名古屋工業大学発の PLG(パルスレーザー研磨)技術で切削工具の再研磨を行っています。